涙いっぱいの贈り物


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前書き

今週のヨーロッパ便りは、パリのピエールカルダン劇場のプロヂューサーとして活躍なさっている大島理恵さんを訪ね、17年間のパリ生活を振り返り、クリスマスの思い出などを語っていただきました。

大島理恵でございます。私の住むパリの街に、またキリスト降誕祭の季節がやってまいりました。私にとっては、パリでの17年目のクリスマスです。

パリのクリスマスは、まず数々の教会の鐘の音から始まります。

荘厳なパイポールガンや聖歌隊のコーラスが、聖堂の隅々まで響き合ったり、17年前のまだまだ若かった私は、遥かな夢の世界に連れて来られたような気がしたものでした。その時、私が一番胸を打たれたのはキリストを胸に抱いた、マリアの像です。生霊を身ごもったばかりに、聖母として上がられたマリアも、元はといえば貧しい羊飼いの娘であり、わが子を愛する平凡な母親にしか過ぎない。そんな気持ちで眺めたマリアは、何とも言えない親しさと愛おしさに溢れていて、思わず涙が込み上げてきたことでした。

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私がこんな思い出話をしたのも、実は17歳になる、ある一人の日本の少女に聴いてほしかったからです。その少女は、両親の愛に育まれて、美しくとても素直に育った可愛らしい娘さんなんです。パリのクリスマスは、一家の愛と団欒と親懇に包まれた、とても静かなホームクリスマスです。そして、クリスマスが過ぎるともうすぐ正月、大地に命の喜びが満ち溢れる春も、もうすぐ間近です。あなたの病気もすっかり快復して、のびやかに生き生きと躍動するでしょう。その姿が、私の目にははっきりと浮かびます。多くの人たちのこの上ない愛に応えて、二度と訪れることない輝かしい青春を精一杯に生きてほしい。多くの愛を一身に集めて、花のように愛らしいあなたですもの。誰よりも素晴らしい、幸せな人生を歩んでいかれるはずです。

そんな中のために、遥か導いっぱいの空から、アベマリアを歌います。



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